高齢になっても暮らしやすくする家づくりのポイント

どうもフミです!

私は現在通所リハビリ施設で8年間働き、利用者さんの送迎や会議で自宅をうかがうのですが、

  • 2階を全く使わなくなった
  • 自宅で頻繁に転倒している
  • 入院して家に戻れなくなった

利用者さんの家を残念ながら本当にたくさん見てきました。

家づくりをされている方で将来のことを見据えてバリアフリーや介護しやすい家づくりを検討されている方も多いかと思いますが、我が家もその一人です。

介護福祉士夫婦である我が家が家づくりの計画をするにあたって気をつけたポイントをまとめましたので、少しでも参考になれば幸いです。

目次

転倒や健康を保つ7つのポイント

高齢になった場合最も気を付けたいのが転倒です。

介護の仕事をししながら家づくりを進めていると自分が高齢者になった場合に備えておきたいポイントが7つありました。

段差を少なくする

基本ですが家の中の段差を極力なくすことで、転倒のリスクを減らすことが出来ます。

最近の新築の家ではバリアフリーが標準になっている家も多いのですが、段差で気をつけたいところは玄関の框とお風呂です。

とくに玄関框がなく玄関土間から廊下がフラットの家もありますが、框には座って靴を履いたり脱いだりする役割もあるので、将来高齢になった時に椅子の設置を設けるなど、別途対策が必要になってくるので注意が必要になります。

家の扉は引き戸にする

室内を出入りする扉はできるだけ引き戸に変更することがお勧めです。

車いすや歩行器を使用しながら開き戸や折れ戸は操作しにくく、特にドアを手前に引くタイプは後ろに下がることもあるので、その拍子に転倒してしまうこともあります。

他にもトイレやお風呂で押し戸の場合、室内で転倒したときに自分自身が壁となり、外から家族が開けようにも引っ掛かってしまうことも…

家の扉すべてを引き戸にする必要はないと思いますが、特に重要なところだけでも扉の検討をしてみてはいかがでしょうか。

スペースを広く取る

将来自分が車いすや歩行器で家の中を移動することを想定したうえで、部分的にスペースを広めに確保しておくことが大切です。

トイレを寝室から近くし、広めにする

夜間のトイレは転倒のリスクも高く、できるだけ寝室からの導線を短くし、車いすのまま入れるほどのスペース確保が大切です。

トイレが遠かったり、スペースが狭いためにベッドの隣にポータブルトイレ設置し、片付けも大変なので一日中置きっぱなしになってしまう家もあるので、いつまでも清潔に自分の力で排泄ができる工夫をおすすめします。

廊下を広くする

将来車いすや歩行器を使用することを考慮して廊下を広くしておくことが重要になります。

廊下は車いすのサイズ幅にもよりますが、平均的には横幅が60㎝~70㎝、長さが95㎝~110㎝程度。

また最初からバリアフリーを目的として建築する場合は、廊下の幅が120㎝と決められており、廊下に手すりを付けたり、人とすれ違うことも可能ですので廊下の導線や物が置かれる可能性がないか、一度検討してみることをおすすめします。

お風呂の洗い場・脱衣所を広く取る

高齢になっても自宅でお風呂が入れるようにするために、脱衣所と洗い場スペースは広めに確保したいところです。

高齢になると浴槽をまたぐ動作ができなくなったり、介護用品を設置するスペースがなく家でお風呂に入れなくなってしまうケースも…

スペースを確保することで手すりや椅子を設置したり、家族や訪問サービスの職員が介助しやすくなるなどメリットもあるので強くお勧めします。

玄関を広くする

将来自分の移動手段が変わったときに家のどこから出入りするのかを考えておく必要があります。

玄関からであれば土間のスペースを広くとることで手すりや椅子、車いすの室内用から室外用に交換するなど問題なく行うことができます。

また玄関が狭くてもベランダに車いす用の昇降機を設置したり、勝手口から直接リビングに行く場合もあるので、自分が将来どこから出入りするのかを考えたうえで、必要なスペースを確保してください。

可能であれば平屋にする

老後を考えた家づくりをするときに平屋はとてもお勧めです。

平屋にすることですべての家事がワンフロアで済むので移動距離が短くなるだけではなく、階段の上り下りをする必要がなくなるので、安全性が高くなります。

仕事でご利用者の家に伺うと2階を全く利用していない家や、認知症のご利用者が誤って階段を上らないように柵で封鎖している家もありました。

土地や間取りの都合で平屋を選ぶのが難しい場合もありますが、平屋の需要は年々高まってきているので、一度検討されてみてはいかかでしょうか?

将来庭の手入れを検討しておく

庭に家庭菜園を作ったりガーデニングしたりと草花のある庭ってすごく憧れますよね。

しかし高齢になった場合誰が庭の手入れを行うのか、一度考えておく必要があります。

ガーデニングが好きで庭に花や木を植えているご利用者の方でその後手入れをする人がいなくなり、家がジャングルのようになってしまっている家をたくさん見てきました。

自分で出来なくなった場合業者を呼んで定期的に剪定してもらえればいいのですが、心配なのが急な入院や施設入所で家を空ける場合です。

ガーデニング好きの私の祖母も3か月ほど入院で家を空けている期間があったのですが、その間に庭木が伸びて隣の家の駐車場まで侵入してしまう事態になってしまいました。

高齢になった場合にどのように手入れをするのかまで一度検討したうえで素敵な庭造りをしていくことをおすすめします。

ヒートショック対策

年齢に限らずヒートショック対策を講じるのは必須なのではないでしょうか?

ヒートショックとは気温の変化によって血圧が急激に変動し、意識障害や心筋梗塞、不整脈などが起こる現象です。

入浴中に意識を失い溺死している高齢者が多く、厚生労働省の統計では2018年で5000人を超えており、その多くが65歳以上の高齢者でした。

おふろ場以外でも廊下やトイレ、寝室など急に温度が変化するところでは特に注意が必要です。

最近では全館空調で家の中の温度が一定に保たれていたり、コンパクトなヒーターで小さな空間を温める暖房器具も多いので、自分の体を守るためにも温度対策を強くお勧めします。

後付けできるものは後回しにする

老後に備えて玄関にスロープを設置している家庭も多くありますが、個人的には高齢になっていざ必要になった時に簡易スロープを介護保険で安くレンタルすることができるので、玄関の外観が損なわれたり費用がかさむくらいならば最初からスロープをつけなくてもいいのでは?と思ってしまいます。

手すりをつける際も将来病気になって麻痺がのこった場合、それが右か左かによって手すりの位置が変わってきます。

手すりも介護保険でつけることができるので、最初から廊下やトイレに必要以上につけるのではなく、必要になったときにつけることをお勧めします。

高齢になっても家に住み続けるために

ポイントをたくさんご紹介しましたが、どれだけ暮らしやすい家づくりを行ったところで、結局運動や食事など健康に気を付けない生活を続けると病気になりやすく、入院してそのまま施設に行って家に帰ってこれないことも多いです。

そのためにも家づくりのポイントだけではなくてお伝えしたいことがあいます。

介護予防を行う

大切なのは日ごろから自身の健康に少しでも気をつけることが大切です。

介護施設で働き、利用者さんの話を聞くと飲酒やたばこ、偏った食生活などを続けていた方がとても多く、最近では年齢が40代のご利用者さんも増えてきており決して他人事ではありません。

もちろん病気になられたすべての利用者が健康に気を使っていなかったわけではないのですが、厚生労働省が出している要介護認定を受けている方は2019年4月で659万人で過去最多で今後増え続けていきます。

4人に1人が高齢者となっている超高齢化社会でいつまでも元気で生活をしていくために家の環境を整えることもとても大切ですが、自分が健康でいるための生活を少しでも取り入れてみてはいかがでしょうか?

自分の能力を生かし、適切な介護サービスを受ける

どれだけ健康に気を付けても全く病気にならないかといえばそんなことはありません。

もし自分が将来病気にかかり、不自由なところが出てしまっても、自分のできる能力を生かして生活していくことが大切です。

自分でやればできるのに過剰に介助してもらったりしていると、気づいた時にはできていたことができなくなってしまうこともあります。

家にいながら通いでリハビリやデイサービスに通ったり、訪問系のサービス(ヘルパー・リハビリ・入浴など)を適切に使うことで長く家での生活を送ることができますし、普段介護をしてくれる家族の方の負担がかかりすぎないようにすることもとても大切なのではないでしょうか。

まとめ

長文になってしまいましたが、将来に備えた家づくりのポイントを紹介させていただきました。

家づくりをしていくうえで環境面ももちろん大切ですが、介護が必要になった場合に家族含めてどのような生活をしていくのかも大切な課題です。

実際に介護負担で家族の中が悪くなったり、まるで邪魔者扱いのような扱いを受けてしまう方も非常に悲しいですが実際問題あります。

そして病気の進行や家族のことを考えて家を離れる選択を迫られることがあるかもしれません…

最後まで家に住み続けることが正解とは限りませんが、いつまでも健康で家族が仲良く生活していくうえで、今回の記事が少しでも役に立てば幸いです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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